SDGsへの貢献

山梨県司法書士会におけるSDGsへの貢献
国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)の掲げる17の目標のうち、山梨県司法書士会及びその会員である司法書士が取り組んでいるものをご紹介します。

「貧困をなくそう」
あらゆる次元での貧困を終わらせるため、司法書士は、借金問題(債務整理、自己破産など)、労働問題(給与未払い、不当解雇など)、母子家庭の貧困問題(養育費の未払い)などの法的解決の支援を行っています。また、生活困窮者のために生活保護の申請支援も行っています。

「飢餓をゼロに」
食糧の安定確保につながる持続可能な農業を推進するため、司法書士は、農地の権利に関する登記手続や農業生産法人の登記手続などを通じて、農業経営を支援しています。

「すべての人に健康と福祉を」
司法書士は、判断能力の衰えにより財産の管理が困難になった人またはその恐れのある人を、成年後見制度を通じて支援しています。家庭裁判所への申立手続や任意後見契約の締結を支援するのみならず、成年後見センター・リーガルサポート山梨支部(山梨県司法書士会の会員からなる公益社団法人)所属の研鑽を積んだ司法書士が後見人に就任し、医療・福祉機関とも連携を図りつつ、本人の意思や思いを汲み取りながら本人の財産と身体を守っています。また、山梨県司法書士会では、会員の健康維持を促進するため、人間ドック受診費用の助成を行っています。

「質の高い教育をみんなに」
山梨県司法書士会では、研修部や青年司法書士協議会が主体となり、学生や社会人などの一般市民に対し、司法書士業務を中心とした法律制度に関する教育事業(法律教室、消費者教育、司法書士業務の紹介など)を行っています。過去の実績としては、児童養護施設での法律教室や山梨学院大学への講師派遣などがあります。また、研修部では、会員に対する質の高い研修会を行うことによって、会員の資質の向上に努めています。

「ジェンダー平等を実現しよう」
司法書士は、法律に基づき、日常生活のあらゆる場面で、ジェンダー平等の促進を図るための支援を行っています。また、山梨県司法書士会におけるあらゆるレベルの意思決定において、完全かつ効果的な女性の参画及び平等なリーダーシップの機会を確保しています。

「エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」
太陽光、バイオマス(廃棄木材など)、水力などの再生可能エネルギーや先進的で環境負荷の低いクリーンエネルギーの利用促進のため、司法書士は、それらのインフラ設備のための不動産(土地・建物)の権利取得の登記手続や不動産の売買または賃貸借の契約書作成などの支援を行っています。

「働きがいも経済成長も」
全ての労働者の権利を保護し、安全・安心な労働環境を促進するため、司法書士は、労働問題の解決を法的に支援しています。また、企業の経済成長を促進するため、司法書士は、金融機関からの融資に伴う担保権設定の登記手続のほか、会社の増資や他の企業との合併による登記手続を行うことなどを通して企業経営を支援しています。

「産業と技術革新の基盤を作ろう」
持続可能な産業化を促進するため、司法書士は、起業による新会社の設立登記手続や後継者不足に悩む中小企業の事業承継などの支援を行っています。また、山梨県司法書士会の司法書士は、地域の産業の活性化につながるJR東海リニア中央新幹線の建設用地の取得に伴う登記手続も行っています。

「人や国の不平等をなくそう」
差別的な法律・政策・慣行を撤廃することや適切な関連法規・政策・行動を促進することなどを通じて、機会の均等を確保し、成果の不平等を是正するため、司法書士は、憲法第14条(法の下の平等)に基づく法律知識を活用して、裁判手続や行政への働きかけを行うことなどを通じて、不平等な取り扱いを受けた当事者を支援することができます。

「住み続けられるまちづくりを」
環境上悪影響を及ぼすため社会問題となっている、いわゆる「空き家問題」について、司法書士は、空き家所有者の相続人調査、空き家の相続人への相続登記手続、民事信託による空き家の利活用、空き家所有者の財産管理人への就任などを通じて、空き家問題の解決を支援しています。また、空き家以外の管理放棄地についても、同様の支援を行っています。2024年に義務化される不動産の相続登記に関しては、山梨県司法書士会の相続登記相談センターが相談窓口となり、相続登記手続の相談のみならず、遺産分割協議書の作成、預貯金の遺産承継による払戻し手続、家庭裁判所に対する相続放棄の手続、生前の遺言書作成などについても相談に応じています。これらを通じて、司法書士は、次世代に問題を残さない、住みよいまちづくりを支援しています。

「つくる責任、つかう責任」
天然資源の持続可能な管理及び効率的な利用のため、司法書士は、インターネットによるオンラインでの登記申請(電子申請)を積極的に行うことによって、紙資源の消費量削減に貢献しています。また、山梨県司法書士会の事務局では、会員に対する各種の連絡を文書ではなく、電子メールにより行うことによって、紙資源の消費量削減に取り組んでいるほか、カラー刷りが必要な会議資料など一部の書類を除いて、書類はモノクロ印刷にすることにより、環境への負荷を軽減するよう努めています。さらに、これまで会館で行っていた会議や研修会をインターネットによるWEB会議システムを利用して行うことにより、会館への集合を極力減らすことが、会員の自家用車での移動に伴う環境負荷(石油エネルギーの消費や排気ガスの排出など)の軽減につながっています。

「陸の豊かさも守ろう」
国土の生態系の保全と持続的な利用のため、司法書士は、山林や農地などの権利に関する登記手続を適切かつ迅速に行っています。

「平和と公正をすべての人に」
法の支配を促進し、全ての人々に司法への平等なアクセスを提供するため、山梨県司法書士会では、総合相談センターが主体となって無料の法律相談会を定期的に開催しています。また、司法書士は、資力のない人からの依頼であっても民事法律扶助の制度を利用することによって業務を行っています。さらに、山梨県司法書士会では、法務大臣による認証を受けた調停センター(愛称「ちょっくらはなすけ」)において、当事者の話し合いによる紛争の円満解決のため、トレーニングを積んだ司法書士が、裁判によらない紛争解決手続を行っています。なお、司法書士は県内の各地域に遍在しているため、司法過疎(法律の専門職が少ないために、紛争を法的に解決する需要があっても、実際には他の方法に頼らざるを得ないこと)の解消にも役に立っています。

「パートナーシップで目標を達成しよう」
さまざまな経験や資源を基にした、効果的な公的、官民、市民社会のパートナーシップを推進するため、山梨県司法書士会では、県内の複数の自治体(甲府市・甲斐市・韮崎市など、現在9か所)との間で、法律相談に関する災害時支援協定(大規模災害が発生した場合に被災住民等に対して無料法律相談を行うため、会員の司法書士を派遣する協定)を結んでいます。また、空き家問題に関しても、県内の3つの自治体(甲府市・甲斐市・笛吹市)との間で空き家対策に関する支援協定を結び、空家対策委員会が中心となって、空き家問題に関する法律相談などの支援を行っています。なお、過去には、所有者不明土地問題の解消のため、甲府地方法務局から委託を受け、山梨県公共嘱託登記司法書士協会(公共事業に伴う官公署の嘱託登記を適正・迅速に処理するために山梨県司法書士会の会員により設立された一般社団法人)が主体となって、長期間相続登記が行われていない土地についての相続人調査業務を行いました。また、同協会では、山梨県の委託を受け、新環状・西関東道路の一部区間の土地に関する相続人調査や林業公社の地上権移転のために必要な相続登記支援業務を行いました。